ロシアワールドカップ、今朝(日本時間)で3日目、G組までの第1戦が終わりました。
そして、いよいよ今夜は日本対コロンビア戦です。
これまでの激戦を振り返るとともに、日本の初戦を展望したいと思います。
国の威信を賭けた闘いに熱くなる
その昔は4年に一度、サッカーの新しい戦術などが生まれて行く面もあったワールドカップですが、移籍によるクラブの強化が進み、ビッグクラブは各国の代表クラスが集まることにより、代表以上の戦術を持って戦うようになり、その試合内容はワールドカップを凌ぐようになりました。
実際、イングランドのマンチェスターシティは今回のワールドカップに16人を輩出、スペインのレアル・マドリードは15名、バルセロナは14人です。これは今回のワールドカップに登録された選手の数ですが、どの国も登録23名の倍くらいの選手が代表クラスとしていると思いますし、予選敗退した国の代表選手を抱えるクラブもあります。
ヨーロッパの強豪は、サブを含めてどこかの国の代表で固められているのがわかります。
その反面、国の威信を賭けて闘うと言う、ワールドカップ本来のあり方がさらに強くなってきていると思いますし、それを感じる試合が多くありました。
開幕戦、地元ロシアとアジアのサウジアラビアの開幕戦は5−0と、意外な大差がつく結果となりました。開幕戦という難しい試合ながら、地元ロシアの強い意志が感じられる試合でした。
イングランドプレミアリーグ得点王のサラーを擁し、1990年以来3回目の出場となったエジプトも、大きな国の期待に答えるべく古豪ウルグアイと接戦演じましたが、惜しくも敗退。残念ながらサラーは負傷が癒えず出場はありませんでしたが、今日の第三試合ロシア対エジプト。決勝トーナメント進出を掛けた大一番では、サラーも登場すると思われ、熱い対戦になりそうです。
1982年スペイン大会以来36年ぶりの出場を果たしたC組のペルーも、熱い戦いを見せてくれました。
1970年メキシコ大会、クビシャスの活躍で予選リーグを突破し、準々決勝では優勝したブラジルを2−4と苦しめました。赤のたすき掛けのユニフォームは、高校サッカーの古豪である刈谷高校と共に、しっかりと記憶されています。
クビシャスはメキシコ大会と1978年のアルゼンチン大会で5得点していますが、2大会で5得点を記録しているのは、ドイツのクローゼとトーマス・ミュラーの3人だけと言う名選手です。
記憶に強く残っているので、ワールドカップであの赤いたすきを見るのが36年ぶりとは思いませんでした。
FIFAランクは11位、12位のデンマークとの初戦は、グループリーグを勝ち抜くためには負けられない試合です。
前半、ビデオ判定によりPKを得たペルーですが、クエバが大きく外してしまいました。
前半終了時に責任を感じて顔を手で覆うクエバをチームメートが励ますシーンは良かったですね。後半、何とか同点にとクエバも必死のプレーを見せましたが、デンマークが59分のポウルセンのゴールで逃げ切りました。
再び頭を垂れるクエバと慰めるチームの光景は、36年ぶりの出場に対する国の期待を背負う責任を感じ、僕も熱くなりました。
国の威信を賭けた戦いという意味では、アイスランドが素晴らしかったですね。
アイスランドと言うと思い出すことがあります。
1968年だったと思います。メキシコ五輪を控えた日本代表がヨーロッパ遠征を行いました。今では考えられませんが、当時は主にクラブチームと試合をしていました。その中の唯一の国際Aマッチがアイスランド戦で、しかも日本が勝ったのです。
この事は、メキシコ五輪以降に多分サッカーマガジンの記事で知ったのですが、2002年にポーランドで同国代表に勝利するまで、ヨーロッパのアウエーで唯一勝った試合だったんです。
アイスランドはFIFAランキング22位ですから、今ではすっかり立場が逆転しましたが、50年前はアジアのアマチュアに負ける国だったんです。
そこからワールドカップ初出場ですから、その思いは計り知れないですね。
人口35万人弱だそうで、旧浦和市でも48万人だったそうなので、浦和代表でもワールドカップに行ける可能性はあると言う事ですね。
初戦は強豪アルゼンチン、メッシ中心に攻め立ててきましたが、臆する事なく対応し、メッシのPKを止めて見事1−1の引き分けで、勝ち点1を得ました。
スタンドにも多くのアイスランドサポーターが集結し、熱い応援と共に闘いぬきました。バイキング・クラップは今大会の記憶として残る事でしょう。
目標により異なるコンディションの差
もう一つ感じられるのは、今大会もワールドカップの傾向がよく出ているところです。
ワールドカップは1ヶ月に渡る長期の大会です。しかも、多くの選手が所属するヨーロッパのシーズン直後に行われますので、コンディションの課題があります。
特に、上位を目指す国は、開幕時にピークを持ってきたら、1ヶ月を戦い抜けません。
一方、予選リーグを勝ち抜くことが目標の国は、初戦にピークを持ってこなければなりません。
フランスがオーストラリアに辛勝し、先ほどのアルゼンチンがアイスランドが引き分け、そして、よもやのドイツがメキシコに敗れました。
ドイツとメキシコは、明らかに動きの差が出ていました。
逆に、メキシコはこのまま保てるのかなと疑問も湧きますが、このような傾向は毎大会見られます。
日本代表、熱い闘いを見せてくれ!
しかし、ドイツとメキシコの試合は面白かったですね。 思い起こせば4年前、メキシコのサッカーをモデルにとアギーレ監督を招聘した日本代表。その流れは、ハリルホジッチ監督にも引き継がれていたと思います。 果たして、今日はどんなサッカーを展開するのでしょうか?
メンバーやシステム・戦術が色々と言われていますが、前述の通り、コロンビアは上位を目指している国ですから、必ずしもピーク調整をしていないだろうと言うのが、一つのポイントだと思います。
立ち上がりは恐れず押し込んで欲しいと思います。
その後も引かずに個々が闘いそれをカバーし合う日本の良さを見せて欲しいと思います。
そして、最後まで国の威信を賭けて闘う姿を見せて欲しいと思います。
結果も大事ですが、負けても胸を張れる闘いをする事が大切だと思います。
乾・香川・原口の2列目に期待したいですね!
頑張れ!日本!