アジアカップ2019、大会13日目となる17日、日本対ウズベキスタンのグループリーグ最終戦が行われました。オマーン戦から10人を入れ替えた日本代表は、40分に先制を許すも43分に室屋成からのセンタリングに走り込んだ武藤嘉紀がヘディングで同点。後半13分にも再び室屋のクロスからのこぼれ球を、アルアインがホームの塩谷司が豪快なミドルシュートを決めて2−1で勝利しました。これにより3連勝でグループリーグを1位通過、その後に行われたE組の試合によりグループリーグ全試合が終了し、決勝トーナメント一回戦はサウジアラビアとの対戦が決まりました。
引き分け狙いではなかったウズベキスタン
ウズベキスタン代表クーペル監督は、この試合に何を求めていたのでしょうか? 1位通過を狙うに当たって、1点のリードはこの上ないアドバンテージだったと思います。ただ、日本代表との力量の差を考えたら、1点で結果を出せるとも思っていなかったのかもしれません。しかし、40分に先制してそのまま前半を終わろうとも感じられず同点になり、後半も「前に行け!」というジェスチャーが何度も映されていました。 ここから察するに、クーペル監督はこの試合に負けて前回優勝のオーストラリアと戦う事も辞さない、それよりも日本とフラットに戦う事をチームの経験にしたいと考えていたのではないかなと感じました。そう、若手に好選手が育っている状況で、アジアカップを経験の場として捉え、目標はワールドカップの初出場に置いているのではと思います。それ自体は、選手を10人入れ替えた日本代表としては、助かったのかもしれません。
控え組の戦力状況も見えた⁈
ゴールキーパーのシュミットダニエルは、失点時に前に出るアプローチもあったと思います。この辺りは、裏を取られた槙野智章とカバーに入った三浦弦太のあまりにも軽いプレーもあった上なので微妙として、86分のセービングは見事でした。国際試合の経験をどこで積ませるかは、重要なポイントかと思います。
ディフェンダーは1失点でしたが、失点シーンを含め不安定な面が多く見受けられました。その中で、武藤嘉紀の同点弾をアシストした室屋成は守備でも固さを見せていましたし、左サイドから受ける攻撃のカバーも着実にこなしているように見えました。酒井宏樹もいざとなったら、安心してイエローを貰えるのかなと思います。センターバックは微妙ですね。昌子源を招集しなかったのは、移籍の影響でしょうか?左サイドの佐々木翔も特に印象を残しませんでした。長友佑都の差は大きい感じがします。
ミッドフィールダーでは、急遽召集されたアルアインが地元の塩谷司が、見事な決勝ゴールを挙げ、地元で代表初ゴールとなりました。しかし、青山敏弘と共に、守備固めなどの起用はあるかなという感じだった事は否めないと思います。
乾貴士はコンディションが良くない感じでした。左サイドでボールを納めてはいましたが、その後のロストが多い事も気になりました。北川航也は3試合連続で出た訳ですが、ちょっとブレーキな感じですね。逆に、伊東純也のスピードは、カードとして使えることを証明してくれました。
トップの武藤嘉紀は大迫勇也の代わりになれる事を十分に示したかなと思います。
サウジアラビア戦、勝利のポイントは?
日本とサウジアラビアの対戦成績は、8勝1分け4敗と日本がリードしています。直近の対戦はロシアワールドカップ予選の最終組で、日本はホームで2−1、アウエーで0−1で1勝1敗でした。現時点でのFIFAランキングでは、日本は50位、サウジアラビアは69位です。
この大会、サウジアラビアは4−1−4−1の布陣で戦っています。引いてカウンターと言うよりは、ボールを保持して攻めてくるので、日本としては攻め易いかもしれません。特にディフェンシブハーフが一人なので、その左右のスペースが空くところが攻め所のように見えます。原口元気・南野拓実・堂安律の3人に縦パスが入り、そこから崩すイメージが浮かびます。もちろん、対策は打たれると思いますが、90分やれるかがサウジアラビアのポイントになりそうです。
大会の雌雄を決するのはトーナメント戦
いよいよ決勝トーナメントに入ります。その昔、トーナメント戦だけでは選手が伸びないと言うデットマール・クラーマーさんの助言で1965年に8チームで創設した日本サッカーリーグ、それが今はJリーグとなり2018年には54クラブが参加しています。このリーグ戦が日本の強化につながっている事は間違いありませんが、ワールドカップもアジアカップも、そして東京オリンピックも雌雄を決するのはトーナメント戦です。
トーナメントを勝ち抜く力と経験値を、森保監督と共に高めていって欲しいと思います。優勝はもちろんですが、決勝までの3試合を勝ち抜き、大会7試合目を戦うことが最低目標だと思います。
明日、サウジアラビアと決勝トーナメント1回戦を戦う日本代表を応援しましょう!