この世にはいろいろな食べ物があるが、ラーメンほど幅が広いものも少ないと思う。
どんなに「二郎は二郎であってラーメンではない」と言っても、二郎もラーメンの一つであることは歪めない。
味噌・塩などもあれば、広東や麻婆もあるし、坦々麺もある。
この坦々麺一つをとっても、かなり幅が広い。
以前、重慶飯店の坦々麺を紹介したが、今回ご紹介するのは坦々麺の一つのジャンルである汁なし坦々麺だ。
仕事で十条に行った時、汁なし担々麺で有名で孤独のグルメでも紹介されたと言う「中国家庭料理 楊(ヤン)」の本店があると言うので早速行ってみた。
その時に「営業は不安定かも」と言われた通りに見事に休業。
「池袋に支店がいくつかあります」の教えに従って埼京線で西池袋へ行き、2号店と思い込んで行ったのは「別館」だった。
因みに池袋には3号店もあると言う。
メニューを見ると、楊特製の汁なし担々麺は、「スープが無い、中国で昔から食べられている担々麺です」とある。
汁なしはジャンルでは無く、元祖だったのだ。
出てきた汁なし担々麺は、写真を見た時に感じたものと違って、お洒落なパスタと思うような感じさえする。
左にはひき肉。
中央には青菜とやや太い白い麺。
右には砕いた南京豆。
当然のように全てを混ぜ合わせる。
この時から、花椒の香りが辛さを誘う。
口に運ぶと、花椒と芝麻醤にナッツとひき肉を、モチモチの麺が掛け算される。
単に辛くするのではなく、美味しい辛さの追求がされている。
一緒に頼んだ餃子は、鉄鍋そのままの羽根付き。
何も知らなかったら、餃子とはわからないかもしれない。
ひとつ外して裏返せば、はっきり餃子と判る。
皮は担々麺の麺と同じくモチモチ感に溢れ、餡は肉汁溢れる美味しさ。
酢胡椒が合う美味しさだ。
辛さの担々麺と肉汁の餃子を楽しみながら、一つの疑問が頭をよぎる。
「そう言えばマダムヤンは、今、どうしてるのだろう?」
中国家庭料理 楊 別館
東京都豊島区 西池袋3-24-3 藤井ビル1階
11:30~15:00、17:30~23:00
定休日無し