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今週の行け麺!  更科 日本橋本町

住所の上での日本橋は、地下鉄銀座線と東西線の日本橋駅や高島屋を中心にしたエリアだが、日本橋○○町と付くエリアはその東側や北側に大きく広がっている。
加賀恭一郎が巡った橋に囲まれているのは北側のエリアだ。
日本橋の流れを引く中央通り沿いの日本橋室町、その横に昭和通りを挟んで日本橋本町がある。
室町から本町へ向けて歩くと、中央通沿いの商業地域、そして昭和通り沿いのビジネス地域を抜けると、一気に下町が顔を見せる。
日本橋は江戸時代から栄えた商業の街。それだけに多くの蕎麦屋がある。
有名な神田の「藪」も、実は日本橋室町にある。
一時期、10年位このエリアに勤めたので、多くの蕎麦屋の暖簾をくぐったが、その中でも紹介したいのが「更科」だ。


「更科」のカレーせいろに嵌る

更科と言えば、藪と砂場と共に蕎麦御三家に数えられている。
その更科にもいくつかの系譜があるが、その系譜には特に属していない「更科」のようだが、細めのやや白い蕎麦と言う路線に「更科」の所以を感じる。

「更科」は日本橋のランチブログを書いていた頃に、読者の方から教えてもらった店だ。今もあるのかはわからないが、メニューに載らない裏メニューで、大もりが二枚分の大大もりと言う富士山盛りを教えて頂いたのだ。しかも、普通のもりの200円増しなので、100円で大もりを一枚増加できると言うお得なメニューだ。一度チャレンジし完食したが、終盤は美味しいとは言えかなり厳しいものだった。


2018年2月22日のメニュー

そんな出会いで始まったが、いつしか「更科」で注文するのは今日紹介する「カレーせいろ」が中心になった。
店に入る前は、大きなエビ天の天もりや山芋いっぱいの山かけを今日は食べようかなと思っているのだが、店に入ると多くの方が注文している「カレー」臭が気持ちを変えてしまうのだ。

 

蕎麦は普通盛りだが、一般的には大盛りとも言えるくらい充分な量だ。
更科らしい喉越しで、蕎麦そのものも十分に美味い。

 

カレーは出汁ベースの蕎麦屋のカレーをかなりスパイシーに仕立てている。
せいろなのに、冬場でもうっすら汗ばんでくる。

長葱と豚肉がとろみをつけたカレーに煮込まれている。
気をつけないと、口の中ではみ出した葱の熱さに舌を火傷しそうになる。

残ったカレーにライスを入れたくなるが、ここはじっと我慢する。

長い間、カレーにはライスやナンやうどんの様に、あまり味を主張しないものが合うと思っていた。
僕にカレーと蕎麦のマッチングを教えてくれたのが、この更科だ。
ただ、カレーせいろを見つけると色々と試して見るのだが、「更科」を超えるものには今だに出会いないでいる。
因みに、夜も飲める蕎麦屋で昼のメニューはすべて注文可能だが、なかなか席を確保できない人気店だ。

この日は雨でやや遅めの来店なので待ち人はいないが、日本橋の片隅に、ランチタイムには異様な行列を生む「更科」のカレーせいろには、どこか文明開化の頃の意気込みを感じることができる。

更科
東京都中央区日本橋本町3-7-9
 03-3666-9259
11:30〜21:00
定休日:土・日

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