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今週の行け麺!  利尻昆布ラーメンくろおび(新橋)

どの年代までがそう事をしていたのかはわからないが、間違いなく昭和30年代生まれならば、小皿の醤油に味の素を入れていたと思う。
調理にも使っていたし、お新香にも振り掛けてた。
最近の○○ダイエットのように、味の素を使うと頭が良くなる的な話もあったから、なおさらだったのかもしれない。
だから、いわゆる化学調味料の味は、僕の味覚の一つとして刷り込まれている。
今でもラーメンは化学調味料で味を整えている場合が多いが、化学調味料を使わない、いわゆる「無化調」をウリにしているお店も多々ある。
「無化調」と言うと、評論家がよく「化学調味料で舌が痺れる」などと批判される事は無いが、逆に刺激が欲しくなったりしてしまう世代でもある。
そんな僕が、これはと思った「無化調」ラーメンを紹介する。

まるで新橋の割烹のような店構え

利尻昆布ラーメン くろおび」は今は新橋にあるが、以前は大門にあった。
あまり知られていないが大門周辺は、かなりのラーメン激戦区だ。その中で、「利尻昆布」に惹かれて入ったのが「くろおび」との出会いだった。
その時は塩か醤油かの選択で、醤油を選択したのだが、僕の感じではスープの良さを感じるには断然塩だ。
出会った直後に、ビルの改築による移転の案内の張り紙があり、新橋になってからは少し足が遠のいていた。
珍しく、霞が関に用事ができたので、「利尻昆布ラーメン くろおび」を訪ねてみた。
大門時代は、和風な店構えながらもガラス戸で中が見えラーメン店だと分かったが、新橋では格子戸になり割烹と思うようなお店になっていた。

和の気品が溢れる一杯、その訳は?

くろおびらーめんの塩に海老ワンタンのトッピングを注文する。
冒頭の写真の通り、チャーシューは2枚・穂先メンマ・とろ玉に、クレソンと糸唐辛子がトッピングのくろおびラーメンに海老ワンタンを加え、ビジュアルも完成度が高い丼が運ばれてくる。

先週の背脂チャチャチャとは対照的に上品に脂の浮く澄んだスープ。利尻昆布と様々な具材の旨味が溶け込んだスープだ。

細めの麺がスープと良く合う。

バラとロースのチャーシューは、厚く肉の味がしっかりとする。

黄身にとろみが絶妙に残る玉子は、煮卵ではなくスープの味と共に戴く。

海老ワンタンと塩スープの相性も抜群だ。

メニューにはスープに対する店主の気持ちが書かれている。

メニューに書かれた無漂白・保存料を使っていないヒノキの割り箸。端材で作られているので、森林伐採というより、日本らしい有効利用の産物だ。

大門店で食べた後に、検索をかけてみてわかったのだが、こんなこだわりを味あわせてくれる「利尻昆布ラーメン くろおび」の店主は、明治天皇の玄孫にあたる作家の竹田恒泰さんだ。
戦後、GHQの宮家解体により一般人になられたが、その血筋が産む日本人らしい上品さと気品のある美味さを、中国生まれのラーメンを通して堪能させてくれるのが面白い。

多くはないが、餃子やチャーシュー盛りなどのサイドメニューもあり、アルコール類もあるので、日本蕎麦屋的にちょい飲みも出来る。
竹田さんが米作りと酒造りに参加し命名した「国酒禊」も用意されている。


世が世なら、何番目かの皇位継承者になられているかもしれない方が作られたラーメンや日本酒を、味わってみるのも悪くない。

利尻昆布ラーメン くろおび

ジャンル:ラーメン
アクセス:JR新橋駅 徒歩8分
住所:〒105-0003 東京都港区西新橋1-20-11 1F(地図
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情報掲載日:2018年12月18日

ヒノキの割り箸はAmazonでも買えます。僕も使っていますが、心なしか食べ物が美味しく感じます。

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