2021年、角松敏生はデビュー40周年を迎えます。
つまり、デビューは1981年、バブル期に向けて邁進している時代でした。
そして、ポピュラー音楽がほぼ完成されていく80年代を迎えた時期でした。
それ以前は、ポピュラー音楽はそれぞれがジャンル分けされ、カテゴリーを持っていました。
フォーク・ロック・ジャズ・歌謡曲など、レコード店もカテゴリー別の棚を作って選びやすくしていました。
しかし、70年代後半からそれらが融合する潮流の中にいました。
歌謡曲は作詞家と作曲家がいて、歌手がいると言う分業体制でした。
NHKの朝ドラ「エール」の世界です。
そこに、自分で作詞作曲して歌うと言う、シンガーソングライターが登場します。
シンガーソングライターがヒットを生み出すようになると、歌謡曲の若手の歌手達がシンガーソングライターに作詞作曲を依頼するようになります。
その当時、若者だったシンガーソングライター達の中には、作詞作曲だけではなく編曲にも携わり、さらにはアルバム全体を監修する、いわゆるプロデューサーが登場します。
当時、本場アメリカのプロデューサーの存在が注目され、いち早く輸入されたレコードのクレジットを見て「プロデューサー買い」と言う買い方があったほどです。
最近ではあまり聞かなくなった音楽プロデューサーですが、ポピュラー音楽の完成に向けて、多大なる活躍を果たした時代でした。
そんな日本のプロデューサーの一人に、角松敏生がいました。
当時、「TK」と言うプロデューサーが有名でした。
「TK」と言えば小室哲哉ですが、小林武史も有名ですね。
そして角松敏生も「TK」です。
そんな角松敏生のプロデュースワークを、レコード会社を超えてタワーレコードがまとめてくれたのが、「角松敏生ワークス –GOOD DIGGER-」と「角松敏生ワークス –GOAL DIGGER-」です。
個人的に、角松敏生の提供楽曲やプロデュース作品を、最近ではプレイリストにしている人も多くいたのではないかと思いますが、こうしてまとめてくれるのも嬉しいものです。
さらに、リマスタリングしてくれているのも嬉しいですね。
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角松敏生はデビューからリリースした2枚のアルバムのセールスは、よくありませんでした。
3作目の「ON THE CTY SHOR」は、駄目だったら辞めるつもりでセルフプロデュースしたら、これがオリコンの21位となり音楽活動に自信が持てたそうです。
そして、当時、同じ事務所だった杏里に楽曲の提供からプロデュースまで携わり、一躍トップシンガーにしてしまいました。
プロデューサー角松敏生のスタートです。
その杏里を始め、布施明・西城秀樹・岩崎宏美・中森明菜・鈴木雅之・中山美穂の大御所や、青木智仁・友成好宏 ・NOBU CAINE・佐藤博・チアキ・凡子のミュージシャン仲間、VOCALANDプロジェクトと面々や米光美穂や今井優子の女性シンガー達、そして遊び心満点のプロデュースをしたジャドーズなど、ここに集められているシンガー達の名を見ると、改めて大変な仕事をしてきたんだなと思います。
「 Pacific Coast Jam」などはすっかり忘れてましたが、こんな企画にも楽曲を提供していました。
VOCALANDから PAULINE WILSON& PHILLIP INGRAMの「THE TWO OF US」、この曲はハワイの「SEA WIND」と言うグループの曲ですが、私も大好きで聞いていただけに、「やっぱり角松も好きだったか」と感じられて嬉しかったです。
色々選曲されている杏里の曲ですが、「Lady Sunshine」も選んで欲しかったです。
この曲、角松の代表曲「Take You to the Sky Hight」と同じコード進行と言う遊びが施されています。
あと、浅野祥之が率いる「空と海と風と」の作品からも選んでほしかったなぁ。
上記のアーティスト達の歌声や演奏を角松印と言うコンセプトで聴くと、心地よいBGMにもなり、聴き込むとまた違った味わいも感じられる、良質なオムニバスだと思います。
ぜひ、お手元に置いて愛聴してください。
「角松敏生ワークス –GOAL DIGGER-」はタワーレコードの直販商品です。タワーレコードの店頭でお求めになるか、下のバナーからタワーレコードのオンラインショップに入り「角松敏生ワークス」と検索の上お求めください。他の通販サイトでは、価格が割増になっている場合もあるようです。タワーレコード価格は2860円です。