中華料理にとって活気は、その味を引き立てるエッセンスの一つだと思う。
大きな声で注文を告げ、オープンキッチンの中での料理する音、そしてそれらの音につられるのか、お客さんも会話のトーンが上がっている。
この雰囲気は嫌いではない。
30年位前ではあるが、一度だけ香港に行ったことがある。
招待のツアー旅行だったので、そのほとんどが決められたレストランでの食事だったが、一度だけ、日本で言うところのラーメン屋らしき店に入った。
それまでは、香港であっても多くの日本人旅行者とともに食事をしていたので、主に香港の人が食事をしていたその店の雰囲気は、強く心に残った。
「支那そば屋こうや」に初めて行ってから、もう20年はたっている。
初めて連れて行かれた時、鶏ガラスープの放つ匂いが鼻を突くとともに、ほぼ満員の店の中の活気は、香港のラーメン屋で感じたものを思い起こさせた。
それから20年、「支那そば屋こうや」は私のお気に入りのラーメン屋の一つだ。
今回は、そのお気に入りを紹介する。
四ツ谷駅からしんみち通りを抜けて、やや斜めに路地の続きを入ったところに「支那そば屋こうや」がある。
何となく雑然とした入り口の怪しさがたまらない。
「支那そば屋こうや」の人気メニューは「雲呑麺」だろう。
この大きい雲呑と焼豚・支那竹・青葱と溢れんばかりのスープが視覚を、そして、好きな人にはたまらない鶏ガラスープの匂いに麺のかん水の匂いが混ざり嗅覚を、それぞれ刺激して食欲につなげる。
麺はストレートな細麺、スープを纏った味が箸を運ばせる。
スープは鶏ガラと豚骨と思われる。
塩の様ではあるが、醤油だ。
香港で食べたラーメンもこの様なスープだった。
肉団子の様な大きさの雲呑、様々な食材の旨味を詰め込んだ肉餡がたまらなくうまい。
雲呑に隠れてはいるが、味の染み込んだ焼豚からもしっかりとした仕事を感じる。
雲呑麺と並んでのお勧めは湯麺、たんめんだ。
野菜たっぷりの湯麺、通常は塩味スープであるが、「こうや」のスープだ。
昔は湯麺だけ平麺があったが、今は細麺だけの様である。
私は、やや多目に胡椒を振るのが好きだ。
夏場にお勧めなのは、上海涼麺。
クラゲや本物のカニ肉、さらにセロリや長葱がゴマだれに合う。
夏には必ず一度は上海涼麺を食べている。
豚舌・豚胃・豚心・豚耳の燻製、昼食時を外したら注文したい一皿です。
湯麺や炒麺(焼きそば)などを頼んだ場合は、皿わんたんを頼むのも良い。
豆板醤で食べるわんたんもいける。
麺と一緒だと「雲呑」、皿に盛ると「わんたん」、その違いは知らない。
「支那そば屋こうや」と名付けられているが、いわゆる醤油ラーメンの支那そばではない。
ただ、私としては香港で食べたラーメンによく似ているので、その意味で「支那そば」かと思っている。
今は近くに新しい店を展開しているが、ロゴマークの中央に書かれた創業店主が取り入れたルーツはそんなところにあるのかもしれない。
ジャンル:ラーメン店
住所:〒160-0004 東京都新宿区四谷1-23 上野ビル1F(地図)
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情報掲載日:2020年10月17日
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